Z世代のやる気が分からないと感じたら|「世代」で括る前に見えなくなっているもの

結論

Z世代のやる気が分からないと感じるとき、原因を世代の特性に求めても、具体的な対応にはつながりません。多くの場合、やる気がないのではなく、何のためにその仕事をするのかという説明が、本人の判断基準と噛み合っていないだけです。世代で括る前に、目の前の一人がどう仕事を選んでいるかを見る必要があります。

この記事で分かること

  • 「Z世代だから」で片づけると見えなくなるもの
  • やる気が読み取れない、本当の原因
  • 昭和的な価値観と今の価値観、両方に価値がある理由
  • 明日から変えられる関わり方

想定される状況

指示したことはこなすが、それ以上のことをやろうとしない。研修や勉強会に誘っても反応が薄い。頑張ってほしいと伝えても、表情が変わらない。「今の若い子はやる気がない」という言葉が、社内で自然に出るようになっている。

表面的な原因

評価制度や研修の見直しは意味があります。ただ、それだけでは「やる気が見えない」という感覚が変わらないことが多くあります。

  • 若手本人の意欲や根気の問題だと捉えている
  • 「最近の若い子は」という会話で片づけて終わっている
  • 評価制度や研修を増やせば解決すると考えている

本質的な原因

私たちは、若手のやる気が分からないという問題の多くを、世代の特性ではなく「コミュニケーションエラー」として捉えます。仕事は、他者との対話と、本人が自分自身に納得する対話の両方で成り立っています。「なぜこの仕事をするのか」「続けた先に何があるのか」が本人の中で言葉になっていなければ、周囲からはやる気がないように見えます。

今の時代は、転職・独立・副業といった生き方が日常的に目に入ります。だからこそ本人は、以前より「なぜこの会社なのか」「ここで続けた先に何を得られるのか」を比較するようになっています。これは怠けているのではなく、選べる道が増えたことの結果です。

若手の問題なのか、伝え方や関係性の問題なのか

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昭和的な価値観と今の価値観、どちらが正しいわけでもない

「まずやってみる」「一つのことを続ける」ことには、今も価値があります。続けなければ見えない景色や、失敗を重ねなければ身につかない感覚は確かにあります。

筆者自身、約10年間剣道を続けました。最初の6年ほどは試合に勝てず、正直なところ何度もやめたいと思っていました。それでも続けた結果、地方大会や県大会で成績を残せるようになりました。この経験から、続けることでしか見えないものがあると考えています。

ただし、この経験を「だから若手も我慢して続けるべきだ」という話にはしません。会社側が「続けた先にどんな力が身につき、どんな役割につながるのか」を言葉にして伝えなければ、継続の価値は本人に届きません。

具体的な会話例

ある経営者から聞いた話です。

  • 経営者「頑張れば評価すると言っているのに、あまり響いていない気がする」
  • 若手社員「評価されたい気持ちはあるんですけど、この頑張りが何につながるのか、正直あまり見えていなくて」

「評価されたい気持ちはある」という言葉が示すように、意欲がないわけではありません。「何につながるのか見えていない」という部分に、本質的な原因があります。

見逃しやすい言葉

若手との会話では、次のような言葉にも注目してください。

  • 「頑張りたい気持ちはあるんですけど」という、意欲と行動の間にあるギャップ
  • 「とりあえずやってみます」という、納得しきれていないまま従っている状態
  • 「これ、意味あるんですかね」という素朴な問い

これらの言葉は反抗ではなく、「なぜこれをやるのか」を自分の中でまだ言葉にできていないサインであることが多くあります。

管理職が確認するポイント

  • 指示や目標を伝えるとき、その先にある意味まで説明しているか
  • 「今の若い子は」という言葉で、個人の状況を見ずに終わらせていないか
  • 役職としてではなく、一人の人としてどれだけ本人と接しているか
  • 頑張りをどう評価するかを、本人の望む未来と結びつけて伝えているか

明日からできる行動

  • 指示を出すとき、「何のためにやるのか」を一言添える
  • 「頑張ってほしい」ではなく、「この経験は〇〇につながる」と具体的に伝える
  • 本人が仕事を通じて何を得たいと考えているかを、雑談の中で尋ねてみる

「育て方」の前に、その人をどれだけ理解できているか

本人が何を大切にし、どんな未来を望んでいるのかを整理し、指導や評価のあり方を一緒に見直します。

まとめ

Z世代のやる気が分からないと感じるとき、世代という括りで説明した瞬間に、目の前の一人を見る視点が失われます。やる気がないように見えても、多くの場合は「何のためか」が本人の中で言葉になっていないだけです。

私たちは、若手の意欲の問題を世代論では片づけず、一人ひとりが仕事の目的を理解し、力を発揮できる関わり方を設計することが必要だと考えています。

よくあるご質問

Z世代は本当に昔の世代とやる気の持ち方が違うのですか?

働く目的の見つけ方に違いが出やすい傾向は指摘されていますが、個人差の方が大きいというのが実感です。世代で決めつけるより、目の前の本人がどう仕事を選んでいるかを見ることをおすすめします。

頑張りの意味を説明しても響かない場合はどうすればいいですか?

一度の説明で伝わらなくても不自然ではありません。本人が何を大切にしているかを理解しないまま説明を重ねても届きにくいため、まずは本人の話を聞く機会を増やすことをおすすめします。

「昔はもっと我慢していた」という価値観を伝えてもいいのでしょうか?

経験として伝えること自体は問題ありません。ただし、それを「だから今の人も我慢すべきだ」という結論にせず、続けた先にどんな価値があるのかとセットで伝えることが重要です。

この記事の内容で気になることがあれば

若手とのすれ違いも含め、まずは自社の状況を6つの質問で整理してみませんか。

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